泥棒結び /Thief knot [シーフノット]
泥棒対策
泥棒結びは本結びの変形バージョンで先端がちぐはぐになった仕上がりになった結び方です。 本結びは先端が上同士または下同士に仕上がりますが、泥棒結びは上下がちぐはぐになります。 基本的な結び方の工程は本結びとは異なるので、本結びのつもりが間違えて泥棒結びになってしまったということはないでしょう。 きつく締めたい場合は先端同士ではなく短手と長手を引き合います。 先端同士を引き合うと結び目が崩れるので注意が必要です。 こういった点からも結び目の強度としては本結びより劣るといって良いでしょう。
英名のシーフ(thief)は泥棒という意味で、名前の由来はこの結び方が泥棒対策に使われていたからだそうです。 バッグや袋の口を結ぶ時に本結びではなく泥棒結びで結んでおけば、もし泥棒に解かれた場合にそのことに気付きやすいからです。 なぜなら泥棒は痕跡を残さないために結び直して元通りにする際に、おそらく普通の本結びを使う可能性が高いからです。
結び方の手順
本結びとは似ていませんがグリーフノットと紛らわしいので注意しましょう。 ①で交差点の二点が上下違うとグリーフノットになります。
構造
構造は本結びとほぼ同様です。
結び目
結び目の仕上がりはどちらかというと美しくない部類に入ると思います。 なお、泥棒対策のときには先端を隠しておきます。
利用
現代の日本の泥棒が、ひもをそっと解いて中のものを盗ってからまた元通りに結び直すなんてことは考えにくいですし、一般人がひもで結ぶような荷物を持っている状況も少ないと思うので、利用価値としてはほとんどないかもしれませんが、トリビア的な話のネタにはなるのではないでしょうか。