外科結び /Surgeon's knot [サージェンズノット]
実用性重視の結び方
外科結びとは、外科手術のときに使われていたことがその名前の由来になっており、英語でもSurgeon's knot(外科医の結び)と呼ばれている結び方です。 外科結びは本結びと似ている結び方ですが、本結びよりも強度があり本結びの強化版といった位置付けで、実用性重視の結び方といえます。
結び方の手順
構造
外科結びは、本結びの最初の止め結びにもうひと巻き追加した構造になっています。 外科結びや本結びは二段階ステップの結び方ですが、外科結びではこの追加的なひと巻きによって摩擦が増え、次のステップに移るまでに最初の結びが緩んでしまうということを防げます。
結び目
外科結びの結び目は、外観重視の結び方ではなく実用性重視の結び方ですので、見た目に魅力はありません。 仕上がりの結び目のバランスが悪く、実用性のために本結びのような美しさは失っている感じです。 強いていうなら、その外科結びという名前にインパクトがあるくらいでしょうか。
利用
本結びなどの二段階ステップの結び方では、ひもの種類にもよりますが途中で緩んでしまうことがあります。 しかし、この外科結びではそういったデメリットが改善されているので、最初の止め結びが緩みがちな状況や、きっちりしっかり、強く結びたいときなどに外科結びを採用すると良いでしょう。
豆知識
wikipediaによると、華岡青洲が本来の家紋を弟に譲り、自身は結紮の図を採用した、とありますので、外科結びは外科技術の象徴であるといえるかもしれません。 なお、華岡青洲という人物は有名な江戸時代の外科医です。 たしかに、この華岡青洲の肖像画の着物には結びの絵柄が入っていますが、見る限りは止め結びのようです。