いかり結び /Anchor bend [アンカーベンド]
加重に強い結び方
いかり結びはその名の通り、船のいかりを結ぶのに用いられていた結び方です。 いかりというのは船が流されないようにするための重しですから、いかり結びはかなり重いものも吊るせる結び方です。 結び方も割と簡単で覚えやすいです。
アンカーベンドのアンカーというのは英語でいかりという意味です。 たまたま和洋どちらもいかりを結ぶのに同じ結び方をしていたとは考えづらいので、どちらかの技術が伝わったんだと思います。 となると、伝わった側ではきっと「今までのよりこっちの方がいいね」みたいな経緯があったのかも知れませんから、より信頼性の高い結び方だったんだと考えられます。もっとも、いかり結びごといかりという技術が伝わったとも考えられますが。
結び方の手順
①と②のときにたるませて余裕を持たせると、締めてから長さの調節ができます。
構造
いかり結びの構造は、ふた巻きして先端を下にくぐらせています。加重が掛かることでくぐらせたラインが抑えられて締まります。 最後にはさらに強度を増すためにひと巻きして摩擦を加えています。
結び目
いかり結びの見た目は特にどうといったことはなく、やや構造がわかりにくい結び目となっています。 二重の部位が二箇所見えるので、強固なイメージは醸しだしている気はします。
利用
いかり結びは加重によって締まるメカニズムがあるので、これを利用できる場面で使えると思います。 なかなか無いかも知れませんが、例えば水を張ったバケツを一階と二階とで移動させたい時などには向いていると思います。 いかりのように重いものを吊るす場合のジョイントとしては、最適な結び方だと思います。 利用場面は少ないですが、利用価値は高いと思うので、覚えておいて損はない結び方だと思います。